海底の遺書
海軍少佐 黒木博司命
昭和十九年九月六日、徳山湾大津基地に於いて水中特攻兵器「
樋口孝少佐と共に従容として最期を遂げられた黒木博司海軍少佐が「回
突入事故と報告と題し、状況、処置、経過、
である。
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辞世
国を思ひ死ぬに死なれぬ益良雄が友々とよびつ死してゆくらん
二二〇〇壁書きス
天皇陛下万歳
大日本 万歳
帝国海軍回天万歳
十九 九 六 二二〇〇
海軍大尉 黒木博司
呼吸苦シク 思考ヤヤ不明瞭
手足ヤヤシビレタリ。
〇四〇〇 死ヲ決ス 心身爽快ナリ 心ヨリ樋口大尉ト万歳ヲ三唱ス
死せんとす益良男子のかなしみは留め護らん魂の空しき
所見万事ハ急務所見乃至急務靖献ニ在リ同志ノ士希クハ一読、
アランコトヲ。
一九―九―七〇四〇五絶筆
樋口大尉最後従容トシテみごとナリ 我又彼ト同ジクセン
〇四四瑚君が代斉唱 神州ノ尊 神州ノ美 我今疑ワズ
莞爾トシテユク万歳
〇六〇〇猶二人生存ス 相約シ行ヲ共ニス万歳」