英霊の遺書

英霊の遺書 · 2021/12/11
(*)編集者注...
英霊の遺書 · 2021/12/05
南十字星に祈る    --- 一農民兵士より愛児へ ----            陸軍軍属 松下八寿雄 命            昭和十九年七月一日 ニューギニア、サルミにて戦死               京都府五ヶ荘出身 享年四十五歳   〇長男文男君へ  健康で、明朗で、篤実な青年たれ、生意気な人間になるな。祖父母の言...
英霊の遺書 · 2021/11/26
沖縄の戦陣より妻へ             陸軍中尉 渡辺健一命            昭和二十年五月二七日 沖縄本島喜屋武にて戦死              栃木県出身 東京大学卒 享年二十九歳  まだお便りする機会は何度かありませう。しかし時期はいよいよ迫りつ つあります。それが何時であるかはもとより予測することは出来ませんが、...
英霊の遺書 · 2021/11/19
御祭神の歌 すめろぎの国亡ぶるか興るかの戦なるぞ征けや益良夫               海軍少佐 黒木博司命               岐阜県出身 二十二歳              (いわゆる人間魚雷「回天」の発案者、訓練中殉職。) 男子われ防人となる甲斐ぞあれ東半球の果てに死ぬれば               陸軍中将 那須弓雄命...
英霊の遺書 · 2021/11/10
バタビヤの悲歌  陸軍憲兵少佐 長 幸之助 命   昭和二十二年十二月三十日 ジャワ島バタビヤ「グロドック」にて法務死   福岡県宇美町出身三十一歳 1,玉きはる、命のきはに、月見れば 歌ごゑたかし、花みれば、白露しとゞ 大いなる、光のうちにいつくしき 人の心は、たらちねの、母をしおぼゆ せゞらぎの、清けき里の、ふる里の...
英霊の遺書 · 2021/10/30
  グアム島からの遺書      (厚生省グアム島元日本兵調査派遣団により発見された遺書より)  海軍軍属 石田正夫命  昭和十九年八月八日 グアム島にて戦死  兵庫県加東郡中東条村出身 享年三十七歳 昨夜子供の夢を見て居た。父として匠に何をして来たか。このまま内地 の土をふまぬ日が来ても、何もかも宿命だとあきらめてよいだらうか。お...
英霊の遺書 · 2021/10/28
戦地より愛児への葉書  陸軍兵長 柴田勝見命   昭和十七年八月八日 中支にて戦死   東京都出身 一橋大学卒   第十回ロスアンゼルスオリンピック大会出場   ホッケー選手 享年三十一歳 ゑみこちゃん、まいにちげんきにがつこうへいつてゐますか、まだおべ んとうはもつていきませんか、がつこうはとてもおもしろいでせう。それ...
英霊の遺書 · 2021/10/16
最期の手紙   陸軍中尉 岸 文一 命   昭和十九年十月二十四日 比島にて戦死   新潟県刈羽郡田尻村出身   新潟第二師範学校卒  享年二十二歳  秋も深くなり裏庭で鳴く虫の音は今年も変らぬことと思ひます。皆さん と一緒に物語つた夜の数々の追憶で胸一杯になる事があります。きつと御...
英霊の遺書 · 2021/09/27
妻への最後の手紙 海軍大尉 古河敬生 命  昭和二十年四月二一日  鹿児島県出水沖にて戦死  佐賀県浜崎出身二十五歳  この頃少し心に余裕ができるとお前の事、生れ来る子供の事が気になつ てならない。どうか体にだけはくれぐれも気をつけてくれ。最初九州の某 基地に来た時、予定が急変して全員特攻隊を命ぜられ、今日か明日かと、...
英霊の遺書 · 2021/09/22
遺言状 海軍少佐 吹野 匡 命  神風特別攻撃隊旭日隊  昭和二十年一月六日  比島方面にて戦死  鳥取県淀江町出身 京都大学卒  二十六歳  母上様   十九年十二月二十一日 匡   私は永い間本当に御厄介ばかりおかけして参りました。色々の不孝の上   に今母上様の面倒を見る事もなしに先立つ不孝をお許し下さい。...

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